Integratto Case Study: Strategic Planning Process
コンサルティング事例
 
Integratto Case Study: Strategic Planning Process
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導入の背景・・・安定成長に入った今、
中期戦略計画の策定に初めて着手
 グループウェアで国内シェアトップ、グループウェアの利用者満足度調査で8年連続トップを獲
得するソフトウェアメーカー「サイボウズ株式会社」は、創業から10年で東証一部上場を果たす
急成長を遂げてきた。同社の経営執行の中枢を担う「経営会議」では、今年で創業12年目を迎え
企業として安定成長に入った今、中期戦略計画の策定に初めて着手する必要性があるとの認識が生
まれた。同社代表取締役社長の青野慶久氏は、「率直に言いますと、創業以来、目先の課題解決を
一つ一つ懸命に行ってきました。しかし、ようやく業績も安定し、企業としての骨格が形成されつ
つある今、向こう5年の計画の策定を行っても良いと判断し、戦略意思決定プロセスの導入を決め
ました」と語る。
CSP(サイボウズ戦略プランニング)
プロジェクト
計画策定の方法論として、インテグラート社の戦略意思決定プロセスを取り入れ、同社のコン
サルタントのファシリテーションによるプロジェクト「CSP」(サイボウズ戦略プランニング)が
スタートした。CSPは、経営会議による決定、取締役会での承認を経て、同社の公式なプロジェク
トとして位置づけられた。多忙を極める経営メンバーが全員参加することを前提とし、4ヶ月とい
う短期集中のプロジェクトとしてスタートした。
まず、戦略意思決定プロセスの最初のフェーズとして議論の枠組みを決める“フレーミング”を
行った。ここでは目標を明確化したビジョンステートメントを決定し、次に計画検討の範囲と評価
の尺度を議論する。まず議論の枠組み(フレーム)を決めた上で議論を進めるというやり方はこれ
までの進め方とは異なったため、参加メンバーの一部からは戸惑う意見も見られた。しかし、その
後はフレームが合っている/ずれているなどの声も聞かれるなど、手法のコンセプトは浸透した。
青野社長は「特に最初の1ヶ月が重要でした。最初は議論の範囲の共有に苦労しましたが、討議を
重ね明確に範囲を決めましたので、その後の議論がぶれませんでした」と、フレーミングの効果を
語る。「何時間も延々と議論した後、フレームが変わってそれまでの議論が白紙に戻る、というこ
とが当社ではしばしばありました。CSPでは議論の後戻りを防ぐことができましたね」と、CSPの
事務局として一連のプロセスに参加した、同社社長室の安田智宏氏も苦笑する。
次に、計画検討の範囲の中で、目標を達成するための課題論点を洗い出す“イシューレイジング”
に移り、数百を超える項目がメンバーから提案された。この手法では、経営陣や現場で認識されて
いる様々な課題や案をボトムアップ的に収集するため、これをまとめて戦略計画に形成することに
よって、結果の理解度が大きくなる。「CSPには現場の意見もよく反映されており、プロセスも納
得感のあるものでした」と、安田氏は語る。次のステップの“戦略テーブル”では、経営メンバー全
員が参加し、各自で提案した項目の意味を説明しながら集約していく。半日のセッション3回に
渡って、項目が戦略代替案にまとめ上げられた。各々の戦略代替案には、一言でその意味がわかる
ようなシンボリックな名前がつけられている。「経営陣の納得感は高いです。また、現場にも浸透
している様子を見受けます。例えば、戦略に名前をつけましたが、その名前が社員の会話に出てく
るんですよ」と青野社長は現場の理解の重要性を語る。
CSPの最後のステップでは、まとめられた戦略代替案を評価し、最終意思決定をする「選択」
を行った。そのために各々の代替案に対応した概略の事業計画を分担して行う。現場に長けた経営
陣だけに、わずか2週間余りで実データに基づいた定量的な計画が立案された。最後のセッション
では、すべての戦略代替案を同じ評価軸で検討し、サイボウズの中期事業ポートフォリオに当ては
めながら、選択を行った。
 
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中期戦略計画から迅速な実行へ・・・
同社の行動力が光る
7つの新規事業を含むサイボウズの中期戦略計画が、CSPプロジェクトから取締役会に報告され
た。報告からまもなく、これら新規事業を担当する役員・マネジャーがアサインされ、具体的な事
業計画の策定へと段階が進められた。「これから実行段階において、各本部がどう動いていくか
チェックしていきます」と、報告からわずか2ヶ月で計画が実行段階に入ったことを青野社長は示
した。これと並行して、青野社長自らが、本社のみならず松山事業所や上海の子会社までに至る全
社員に、CSPの結果をプレゼンテーションし、中期戦略計画の理解と浸透を図っている。社員の反
応は良好で、以前、同じような新規事業を発表したときにあった認識のギャップは見られず、前向
きに期待する声が寄せられている。青野社長によると、「CSPでは経営陣が時間をかけたディス
カッションによって中期計画を策定したので、その結果は本部長レベルで納得しており、現場への
浸透が進んだようです」。
グループウェアを活用し
戦略意思決定プロセスを効率化
多忙を極める経営会議のメンバーが、何日も集合して討議をすることは至難だった。セッショ
ンに参加できないメンバーが増え、議論が不十分になってはプロジェクトの意義は大きく損なわれ
る。そこで、CSPでは社内で運用している自社のグループウェア"サイボウズ・ガルーン"を活用し、
ネットワークを通じて課題論点の項目を記録するファイルを共有したり、各担当者が事業計画を提
出したりした。これによって、参加メンバーは時間的、地理的制約から解放され、時には海外出張
先からでも議論に参加した。メンバーが実際に集合するセッションが最小限になるため、すべての
セッションはほぼ欠席者なく完遂した。「さすがにグループウェアの会社ですね。経営陣全員が自
らネットワークを通じて議論を重ねました」と、CSPのコンサルタントを務めたインテグラートの
北原は驚く。
 
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インテグラート株式会社は、経営に役立つ技術「マネジメントテクノロジー」を提供し、企業の経営課題の解決や目標の達成を支援し
ます。マネジメントテクノロジーを、“ソフトウェアツール”、“コンサルティング”および“教育”の3つの方法でお届けし、お客様自身で
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